【J3・FC琉球 リブランド】
沖縄の雄、J3・FC琉球が彷徨っている。
そのリブランドを図るとして発表された新エンブレムが余りにも不評だったことに端を発している。
下に掲載されている旧エンブレムと比較すると、反対する意見も何となく理解できる。
ちなみにチーム名称も「FC琉球OKINAWA」とすると発表されている。
琉球は沖縄県の旧称(藩名でもあった)であるから、「FC東京EDO」とか「FC大阪KAWACHI」「FC岐阜MINO(HIDA)」などと名乗るようで可笑しいという指摘もあったようだ。
これはJリーグの理念である地元志向とは少しかけ離れたところで意思決定がなされたためではないか、と訝る向きもある。
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つまり、現在のチーム経営を担う会社と、たとえばサポーターとの会話が出来ていないのではないか、という指摘だ。
2003年に「沖縄からJリーグへ」を目指して創設されたFC琉球だが、2014年のJリーグ加盟(J3)、2019年のJ2昇格、2023年のJ3降格、さらに3度に及ぶ運営会社の変遷(経営権譲渡)など、その紆余曲折は全国60チームにまで広がったJリーグチームを見渡しても珍しい部類に入るだろう。
そしてこのFC琉球20年に及ぶチームの歴史において、経営に沖縄の資本が関わったことは無い。
スポンサードはもちろん沖縄県内の企業も連なっているが、ことチーム経営においては沖縄の資本が絡んだことは無い。
これは同じく沖縄県内のプロスポーツチームであるBリーグ・琉球ゴールデンキングスも同様で、その出自から経営に沖縄資本が絡んだことは無いが、FC琉球と琉球ゴールデンキングスとの大きな違いは、キングスのホームゲーム集客数は直近の2022-23シーズンで1試合平均6800人を超えており、2シーズン連続でBリーグナンバーワンに輝いていること、そして同シーズンでBリーグ制覇、バスケット日本一に輝いたという2点だろう。
特にキングスのブースターはBリーグ創設当初から「日本一」の評判が高く、今回の優勝で改めて名実ともに「日本一のブースター」の名乗りを得た格好だ。
片やFC琉球と比べるのは失礼かもしれないが、クラブ創設から20年を超えるプロスポーツチームの先達としては些か面目ない話ではある。
とはいえ、沖縄という(大部分は観光地としての)ネームバリューも手伝ってか、あるいは資本のチカラか(本命はこちらだろう)、有名な選手・監督がチームにやってくるのもFC琉球の特徴ではある。
かのフィリップ・トルシエ元日本代表監督が総監督を務めたこともあり、小野伸二などの元日本代表選手がプレーヤーとして加入してくる。現在も、金崎夢生という著名な元日本代表選手が所属している。
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選手だけを見ると、なぜこれで?と感じることもある戦力なのだが、なぜか勝てない。
J3を独走して優勝しJ2昇格を決めたシーズンに優勝監督(金鐘成氏)が退任するという、あまり聞かない話もあったのだが、J3に降格した今シーズンにまたその監督を招くという、これもまたあまり聞かないチーム編成が見られる。
そこへ、今回のリブランディングの迷走である。
何が良い、何が悪いという話がしたいのではない。
ただ、経営も含めたチーム運営に一貫性がないから彷徨と書き、迷走と書くだけの話だ。
ハッキリ言えば、財政的にFC琉球より厳しい環境にあるJリーグチームはいくらでもあるだろう。
しかしこれほど方向転換を繰り返し彷徨・迷走するチームは、あまり見られない。
スポーツビジネスの難しさを見る思いである。
(ダベリィマン)
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