【大相撲秋場所 千秋楽 優勝決定戦】
元横綱・北の富士さんのコラム「はやわざ御免(中日新聞)」が好きだ。
テレビ解説のほうは直截過ぎるので心が苦しくなるが、コラムでは直截さと優しさと贔屓と透徹した眼力の匙加減が実に快く、単純にファンだ。
若い人たちもアレを読むと良い。今ならバックナンバーもまだ読めるのではないか。
今年の3月場所を最後に休載となっているのが気になるところではある。
北の富士さんは常々「注目されることなく去っていきたい」というようなことを書いておられたので、このままフェイドアウトされるのではないかと心配している。
さて、カド番大関・貴景勝と平幕15枚目・熱海富士との優勝決定戦である。
北の富士さんなら何と書くだろうと考えてみた。
はたき込みなど、大関が優勝決定戦でやってはならん!と一喝するのが先か、それを通り越して大関にはガッカリしたと書くのが先か、それとも御贔屓の熱海富士を叱咤激励するか。
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いや、
それでも大関の優勝だから。
と書き出すかもしれない。
大関には優勝かそれ以外かしかない。と、貴景勝は口にするようになった。目標の高さと責任とプライドを背負っている。
独り横綱・照ノ富士がケガで休場している現状で、大関二場所目のカド番・霧島、新大関・豊昇龍ともに優勝争いをするどころか白星が二桁にも届かないまま千秋楽を迎えている。
大関がこんなもので良いのか。
結局は、そういう話に戻っていってしまう。
関脇も、低レベル(四敗)とはいえ優勝戦線に残った大栄翔を除く二人は早々に優勝争いから脱落、小結二人は揃って負け越し、平幕上位も軒並み9勝以下。
千秋楽は前頭十五枚目の熱海富士が勝ち頭、四敗で貴景勝、大栄翔、前頭七枚目の高安、十枚目の北青鵬が追った。
三役と平幕上位も、こんなもので良いのか。
平幕下位で星を伸ばして上位に上がり、あわよくば三役に上がるか・三役を維持するかを狙いながら星を取れずにまた下がっては上がるを繰り返すばかりで、幕内は団子状態である。
と、言いながらも、千秋楽の盛り上がりは良かった。
これは偏に終盤戦の割が絶妙だったことに尽きる。
役力士同士の取り組みにこだわらず、また勢いのある力士を潰さず、力試しをさせるような、
実に絶妙な割であった。心から拍手を送る。
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北の富士さんが御執心である熱海富士のこれからが楽しみだ。同じく推しておられる豊昇龍は新大関でどうにか勝ち越したが、来場所からは序盤から油断も隙もなくなるものと期待したい。
白桜鵬もぜひケガを完全に治して出てきてほしい。
若隆景のことも忘れてはいない。
上位陣が星を潰しあうということは実力伯仲とも言えるし、実際にはそう悲観する状況ではないのかもしれない。
しかし、横綱・大関陣が年間6場所のうち4つか5つ優勝し、残りの1つか2つを三役以下の力士がせめぎ合う。そういう土俵が見たいとも思う。
横綱・大関は、強者であれ。
オールドタイプだとお笑いください。
競争のなかで育ったためか、みんなで仲良く上がったり下がったりというのがどうも面白くないのです。
北の富士さん、カムバックプリーズ。
(ダベィリマン)
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