【 高校野球 髪型問題 】
外野は黙ってろ。という言葉は、何となく外野手に失礼だと感じた日から書けなくなった。
代わりに、観客席は黙ってろ。と言うと直近の決勝戦に対するアイロニー扱いされてしまいそうだが、観客席の声援は本来嬉しいものだし(選手目線だと応援は素直に嬉しい)、観客席の静かな試合はどのスポーツでも盛り上がりに欠けるから使いたくない。
しかし高校球児の髪型については近年様々な意見が寄せられるようになっている。
いやもう、選手(と指導者)以外は黙ってろ。と言いたい。
え? 高校球児の髪型?
よくもまあこんなドウデモイイ話題で盛り上がれるものだ。
昔は中学に上がると丸坊主にしなければならないルールが全国のどこでもあった……かと思ったが田舎だけのルールだったようだ。
しかし高校生になれば全国どこでも髪型は……自由ではなかった。
パーマは禁止だった。
ツーブロックも禁止だった。
染めるのも禁止だった。
男子の長髪は特別な理由がなければ禁止だった。女子の髪の長さも特別な理由がなければ規制されていた。
まあ、余計なお金がかかりそうなパーマと髪染めの禁止は分かる。
親のカネで飯を食っている身分なら、髪型の制限は当たり前だ。
全国の高校生のうち、自己主張をする高校生の多くが忘れているのは、親や保護者に育ててもらっているという感謝の気持ちだ。親や保護者が教えるのを忘れているのかもしれないが。
そして逆を言えば、自分でお金を稼いで学校に通っているならば、その生徒の髪型は自由じゃないかと思う。
子どもにも人権はある。当然だ。人権には大人も子どももない。人間の権利なのだから。
しかし、髪型含めて「子どもだけを規制するルール」のなかには、社会的に必要なルールも含まれている。飲酒喫煙を禁止するのもそうだろう。
そして刑法その他のように「未成年=子ども」を保護(優遇)する規定も定められている。
一方で、実は高校球児に限らず高校の部活動では男子丸坊主、女子短髪というのはポピュラーだ。
大事なことなので繰り返す。
高校野球に限らず、男子丸坊主・女子短髪というのは高校部活動のポピュラー路線だ。
「気合い入れるために、試合直前に1厘刈りのバスケ部」とか「丸坊主でジャンプするたびハチマキがずれ落ちるバレー部」などは今でも普通にある。
だから、髪型くらいは自由でもいいのではと言いたいわけだ。
だが「自由」の意味は違う。
学校によって(指導者によって)、それぞれのルールでいい。
選手の髪型はそのチーム(部)のルールであって、詰まるところ選手(と指導者)の問題なのだ。
それ以外の人間が意見するのは筋違いだ。
甲子園熱闘問題(勝手に名付けた)と同じだ。
高校野球の全ての現役選手に伝えたい。
丸刈りがイヤなら、そのルールを変えるように動いてみるといい。
最終的に丸刈りルールが変わらず、丸刈りにするのがイヤで野球を辞めたいとなったら、迷うことなく退部すればいい。野球より髪型のほうが大事なのだろう。そういう選択肢があってもいい。
現代は多様性の世の中なのだから。
少なくとも高校球児の髪型については、観客席とかその外側とかが意見する問題ではない。
ほっとけばいい。
そんなに長髪の球児が許せないなら、高校野球を観なければいいじゃないか。
と、考えてみる今日この頃。
しかし、有名選手の丸刈り写真は観たいなと思うのである。
男子丸刈り・女子短髪。そんな時代もあったねと懐かしく振り返る写真は、誰にとっても青春時代の貴重な思い出のひとつとなる……ような気がするのである。
(ダベリィマン)
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