【女子サッカー 日本代表1-2スウェーデン代表 23年8月11日】
ああ、これは負ける試合だ。
試合開始から60分過ぎまで、テレビの前で頭に繰り返し過ぎるイヤな考えや予感を何度も振り払っていた。
こちらの意図した通りに試合が動かないとき、決定的なシーンでポストやバーを叩いたとき、それが続いたとき、感じるアレだ。
だいたいそういう試合は負ける。
試合の入り方もふわっとしていた。
どこか定まっていなかった。
根拠もなく「今回も勝てるだろう。」的な雰囲気がどこかに無かったか。
それはまるで、カタールでの出来事と同じように(もっとも女子はベスト8だから、男子より一段階上である)。
敗因、後悔、戦略や戦術についての解説は、他のメディアに譲る。
ここで言いたいのはただひとつ、なでしこの決定的な弱点だ。
なでしこは過去のスウェーデン代表との試合と、同じ試合をやってしまった。
なでしこの弱点は、1ミリも改善されていなかった。
それはつまり、相手とスピードが互角なら、負ける。
という一点だ。
分かり過ぎるほどの体格差やパワーの差を、なでしこはスピードとスタミナで越えてきた。
パスや走力のスピードだけではなく、判断のスピード、身のこなし、先読みの速さ、球離れの速さなどのスピードを、驚異的なスタミナで維持しながら勝利してきた。
だが、アメリカやスウェーデンなど体格もパワーもあり、なおかつスピードもある選手が揃っているチームを相手にしたとき、なでしこの武器は力を失ってしまう。
このスウェーデン戦のように、後半の相手のスタミナ切れを待ってひたすらに耐えるしかなくなる。
それは、2015年ワールド杯の準優勝以降に何度も目にしてきた、なでしこジャパンの悲しい弱点だ。
現時点では、世界レベルでもなでしこジャパンと同じレベルのスピードを持っているチームはそれほど多くない。しかし、その数少ないチームに勝たない限り、来年のオリンピックも次のワールドカップも優勝できないのだ。
スピードが互角の相手にどうやって勝つか。
なでしこの道は険しい。だが、そうやって戦えるレベルでの悩みというのは、誇らしい話だと心から思う。
がんばれ、なでしこジャパン。
1部リーグの名前も組織も変わったが、なでしこは、なでしこだ。(ダベリィマン)
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