【藤浪慎太郎 リリーバーで活躍】
藤浪慎太郎(29)が、ようやく場所を得た。
感慨深い面持ちになるのを許してほしい。
今や世界のユニコーンと呼ばれる大谷翔平と同レベルのサイズであり、高校時代はその大谷より評価が高く、高卒ルーキーから3年連続2桁勝利(35勝21敗)で若くして人気球団のエースと呼ばれたが、翌年からの7年で22勝しかできず、NPB10年で57勝54敗。
制球難で突然コントロールを乱すことからイップスではないかと言われつつも毎年それなりの試合数を投げてきた。
藤浪晋太郎は、イップスではない。
藤浪晋太郎は、人の話を聞いていないか、聞いていて理解しないだけだ。
もちろんただの推測だ。
藤浪慎太郎は、何だかんだでフォームが変わらない。何なら高校時代から余り変わっていない。ゆったり構えて、右ひざを落として大きく踏み込んで、ビシュっと投げ込む。そのボールが、ズバンと音を立ててキャッチャーミットに飛び込む。
静かにしろい、この音が俺を蘇らせる。何度でもよ。
と、彼が思っているかどうかは定かではないが(かなりの高確率で思っている)、彼はピッチングを難しく考えていないし、ストレートとフォーク(スプリット)のコンビネーションさえしっかりしていれば、あとは球威でバッターは抑えられると信じている(ように見える)。
それでいい(いいんかーい)。
それができるなら、それでいい(いいんかーい)。
かの大魔神も英語も話せないなか、ストレートとフォークだけでメジャーリーガーを抑え込んだ。古くは野茂英雄もそうだった。トルネードから繰り出されるストレートとフォークだけで三振を奪いまくった。
藤浪晋太郎が復活したと、本人は思ってもいないだろう。そもそも、ここ数年はストライクが入らなくて結果がついてこなかっただけで、本人は不調だとすら思っていなかったかもしれない(可能性はある)。
だが、それでいい(いいんかーい)。
結果が出れば、プロセスはどうでもいいのがプロスポーツの世界だ。
今、藤浪晋太郎は結果を出している。だから、それでいいのだ。
驚くべきは、キャッチャーミットを真ん中高めに構えてあとは藤浪と投げたボール任せという、現代ベースボールでは考えられないスタイルを選んだオークランド・アスレチックスのキャッチャー陣だ。
そのスタイルを試せるのはメジャーリーグならでは、だろう。
日本プロ野球では絶対に許されないだろう。そんなのプロ野球ではないと言い切る指導者や外野陣も多そうだ。
だが、本来なら結果が全てのプロスポーツ。
藤浪晋太郎は人の話を聞いていないか、聞いても理解しない。
彼はビシュっと投げて、ズバンとキャッチャーミットに吸い込まれるのが良いのだ。
細かいことは気にしなくていい。
静かにしろい、この音が俺を蘇らせる。何度もよ。
それでいい。
ユニコーンとは違うカタチでも、それに匹敵する才能が再び場所を得た。
藤浪晋太郎は自分を信じるどころか、疑ってすらいなかったはずだ。
場所を変えて再び咲く花がある。
こういうことがあるから、スポーツはやめられない。
どこまでも活躍してくれ、藤浪晋太郎。
(ダベリィマン)。
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